エアコンのガス漏れとその原因
2025/02/18
エアコンの冷房や暖房が効かなくなったときに疑われるのが「ガス漏れ」。エアコンの冷媒(フロンガス)が漏れると、正常な運転ができず、冷えない・暖まらないといったトラブルにつながる。ここでは、エアコンのガス漏れの原因と対策について詳しく解説する。
1. エアコンのガス漏れが発生する主な原因
① 配管接続部の施工不良
エアコンを取り付ける際に、室内機と室外機をつなぐ配管(フレア接続部)に不具合があると、時間の経過とともに冷媒が漏れることがある。具体的な原因としては以下のようなものがある。
- フレア加工不良
配管のフレア加工(膨らませる作業)が適切でないと、接続部の密着が甘くなりガスが漏れる。
- トルク不足または締めすぎ
ナットを締める際に、適切なトルクで締めないと隙間ができたり、逆に締めすぎて配管が破損することがある。
- シール剤の未使用
シール剤(専用のガス漏れ防止剤)を使用していない場合、わずかな隙間からガスが漏れることがある。
② 経年劣化によるガス漏れ
エアコンは長年使用すると配管や部品が劣化し、接続部のパッキンやゴム部品が硬化してひび割れし、ガスが漏れることがある。
- 銅管の腐食
特に室外機の配管は雨風にさらされ、時間が経つと劣化が進む。特に海の近くや工場地帯では塩害や酸性雨の影響で腐食が早まる。
- パッキンやシールの劣化
配管接続部のパッキンが長年の使用で劣化し、ガス漏れを起こすことがある。
③ 配管の破損・物理的なダメージ
施工時の傷やへこみ
配管を施工する際に傷がついたり、無理な曲げ方をしたことで亀裂が入ると、ガスが少しずつ漏れてしまう。
- 害獣や鳥による被害
まれにネズミなどの害獣が配管をかじることで穴が開くことがある。また、鳥が巣を作るために配管周りに影響を与えることもある。
- 外部からの衝撃
室外機周辺での作業や、強風で飛んできた物が当たることで、配管が損傷することがある。
④ 室内機の熱交換器や室外機の内部からの漏れ
- 室内機のアルミフィンからの漏れ
長期間使用したエアコンの熱交換器(アルミフィン)が腐食し、ピンホール(小さな穴)が開くことがある。特に湿気が多い環境では腐食が進みやすい。
- コンプレッサーの異常
室外機のコンプレッサーに負荷がかかり、内部で圧力異常が発生すると、冷媒が通常の経路から漏れ出すことがある。
2. ガス漏れの確認方法
① 冷房・暖房の効きが悪くなる
エアコンのガスが漏れると、冷房時に冷たい風が出なくなり、暖房時にも温かい風が出にくくなる。設定温度を下げても涼しくならない場合は、ガス漏れの可能性がある。
② 室外機の霜付きや異音
ガスが不足すると、室外機の配管部分に霜がついたり、異音が発生することがある。これは、冷媒が正常に循環せず、異常な圧力がかかるために起こる。
③ オイル漏れが見られる
冷媒には専用のオイルが含まれており、ガスが漏れるとオイルも一緒に流出する。配管の接続部や室外機の周辺にオイルのシミがあれば、ガス漏れの可能性が高い。
④ 石鹸水やガス漏れ検知スプレーでチェック
ガス漏れの疑いがある箇所に石鹸水をかけると、気泡が出ることがある。また、専用のガス漏れ検知スプレーを使うことで、より正確に漏れ箇所を特定できる。
⑤ マニホールドゲージを使用して圧力を測定
冷媒の圧力を測定することで、ガスが適切な量入っているかを確認できる。規定圧よりも低い場合は、ガス漏れの可能性がある。
3. ガス漏れの対策と修理方法
① 配管の接続部の増し締め・再施工
フレア接続部の施工不良が原因の場合は、増し締めを行う。ただし、締めすぎると逆効果なので、適正なトルクで締め直すことが重要。
② フレア加工のやり直し
フレア部分に問題がある場合は、配管をカットし、新しくフレア加工を施して接続し直すことで漏れを防ぐ。
③ 穴が開いた部分の溶接修理
銅管や室内機の熱交換器に小さな穴が開いている場合は、ロウ付け(溶接)によって修理可能。ただし、ピンホールが多発している場合は、部品交換のほうが確実。
④ 配管の交換
配管が破損している場合は、新しい配管に交換する。特に長期間使用したエアコンは、配管内部の腐食が進んでいることが多いため、交換が必要になることがある。
⑤ ガスの再充填
修理後、適正量の冷媒を充填し、正常に冷暖房が作動するか確認する。ただし、ガス漏れの原因を修理せずに単にガスを補充するだけでは、再び漏れる可能性が高い。
4. まとめ
エアコンのガス漏れは施工不良、経年劣化、物理的ダメージなどさまざまな原因で発生する。ガス漏れが起こるとエアコンの性能が著しく低下し、最悪の場合は使用不能になるため、早めの点検と修理が重要。特に、配管接続部のチェックや施工時のトルク管理を徹底することで、多くのガス漏れトラブルは防ぐことができる。ガス漏れが疑われる場合は、専門のエアコン業者に点検を依頼し、適切な対応を行うことが大切だ。
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